有機農業に携わる人の言葉

karingirls2010-10-15

童話館から今月の絵本が届きました。
今月はどんな絵本かな?とわくわくする気持ちとともに
大人向けのお便りも心待ちにしています。


今回は長崎にある「岩崎自然農園」の岩崎さんのお話でした。
岩崎さんは農薬が原因と思われる体調不良をきかっけに、農薬も化学肥料も
使わない有機農業を始めたといいます。
文章の中で、なるほどと思った部分をクリップ。



☆種を守る


岩崎さんは自家採取して種を守っている。
普通の農家は、毎年、農協をとおして種苗会社から種を買っている。
それは収穫量が増えるよう、改良されたものだが、すべて同じ性質の種だと
予期せぬ気候変動などによって、不作や凶作をもたらす危険が高くなる。
岩崎さんも初めは、外見のきれいな種を選んで蒔いていたが、よくない年も
出てきたので、色々な個性の種を選んで撒く様になったという。
また、種を管理されることは、食料を種苗会社に支配されることにつながる。



☆減農薬のこと(ある医師による講演)


食の安全が言われる中、有機農業がさかんになってきていると
思っていたけれどそうではなかった。全農家に占める割合は全体の0.2%という。
現在使われている農薬は、昔の農薬と違って作物への浸透性が高い。
害虫に対しての効果が高く、散布回数を減らすことができるが、作物の中に
浸透して水などで落ちにくい。減農薬栽培がこの農薬によって成り立っている
と感じている。

→農薬の回数を減らしていても、作物に残る農薬の量は多いのではないか?
 減農薬のほうが、体への害は高くなる場合もあるかもしれない。


☆人とつながること


岩崎さんは直接、お客さんに販売している。
「生産者と消費者が遠い関係だと、自分が作った作物を食べる人のこと、健康
とか、美味しいと思ってくれるだろうかとか、そんな気持ちが湧きにくくなって
きます。」


「自分が作った野菜をとおして、自分の野菜を食べてくれる人とつながっていたい。
同じ食べ物を食べた人どうしは、どこか、同じ感覚の人のような気がします。
20年、30年とうちの野菜を食べ続けてくれている家庭とは、身内とか兄弟のような
気がします」



ひとつのことを、ずっと続けてこられた方の言葉は説得力があります。
これだけオーガニックが浸透していても、有機農業をしている農家が少ない
ことにも驚き…。そして「有機農業をしていると、周囲から変人扱いされる」
ということは以前聞いたことがあったのですが、今も変わらないとのこと。



会報誌のすべては書ききれませんが、農業も子育ても似ているなと思いました。
あと、家族に食を提供する側としては、みんなが美味しいって食べてくれるか、
健康でいられるようにと、考えていますよね。
でも最近は、いかに食材を無駄にせず献立を考えられるか、レパートリーを
増やせるかばかりに重点を置いていたので、ちょっと反省。